2018-01-01から1年間の記事一覧
今回は、孤独をテーマにした絲山秋子さんの恋愛小説「海の仙人」を紹介します。 “ファンタジー”という名を持つ役立たずの神様が登場する独特の世界観を持った中編小説です。 解釈が難しく好き嫌いも分かれそうな作品のため、書評記事を書くかどうか悩んだ本…
今回紹介する本は、金城一紀さんの3話からなる中編集「対話篇」です。 金城一紀さんといえば、本多孝好さんの大学時代の同級生であり、先日紹介したメディア化前提作品「dele(ディーリー)」のプロデュース及び脚本を担当した作家さん。 著書の「ゾンビー…
久しぶりに読む前からワクワクする本に出会いました。 タイトルは五十嵐貴久さんの「1981年のスワンソング」。 2014年の現代社会から1981年の昭和モノクロ時代にタイムスリップしてしまった主人公が、未来に生まれた名曲をバンバン大ヒットさせ…
今回は私が1番好きな漫画である羽海野(うみの)チカさんの「3月のライオン」を紹介します。 私は読書が好きですが本に劣らず漫画も大好きで、今まで沢山の漫画を読んできました。 その中でも「3月のライオン」は10年以上愛読している大好きな作品です…
私が所有する数百冊の本の中で、もっとも異色であり、かつ振り切れている作品を紹介します。 それが、リリー・フランキーさんの「誰も知らない名言集」。 この本はリリーさんの周りに集まる変態たちが残した名言をたくさん収録した作品です。 人間研究家であ…
中田永一さんの「吉祥寺の朝日奈くん」は2011年に映画化もされた作品で、書籍では5章からなる短編集として刊行されました。 それぞれの章が異なる内容の話ですが、表題作の「吉祥寺の朝日奈くん」だけでなく、他の4作品も主役級の面白さ! 今回書評の…
私は本屋で新刊を見かけたら必ず購入すると決めている作家が何人かいます。 その1人が本多孝好さんです。 2000年に「このミステリーがすごい!」のランキングにトップ10入りした「MISSING」を読んで好きになり、今まで出版された作品はすべて蔵書に入…
何を隠そう私はウイスキーが大好きです。 中でもシングルモルトウイスキーには思い入れがあり、ちょっとした飲み屋に負けないくらい沢山のボトルを所有している程……! シングルモルトとは大麦麦芽のみを使用して単一の蒸留所で作られるウイスキーのことを指…
注意! ハミングバードブックシェルフ日本橋店は2020年2月24日に閉店しました。 京都店または「オンラインショップ」(http://store.hummingbird-bookshelf.net/)は営業しております。 2018年9月に新しくオープンした日本橋高島屋S.C.(新館)に…
今回は、歌人であり作家でもある東直子さんの連作短編集「とりつくしま」を紹介します。 この本は5年くらい前に初めて読んだとき「いい本だったな」と感じ、著者の他の作品にも興味を持つきっかけとなったものの、「いい本止まり」で特筆すべき点はないとい…
私が今まで使ってきた読書灯の中で最も使いやすく大変気に入っている商品を紹介します。 それが、エル光源さんの「LFX1-OLE 卓上タイプ(型番はLFX1-O-D)」。 エル光源さんは日本のLEDライト専門メーカーで、その中でも「LFX1-OLE」は就寝前の読書に特化し…
今回紹介する本は、友人からオススメされたルイス・サッカーの「穴」です。 紹介してくれたのは荒川ケンタウロスというバンドのボーカルである一戸くん(本名は“いちのへ”、あだ名は“いっと”)。 彼は大学のサークルの友人で今でも飲み仲間ですが、以前から…
今回紹介するのは、26歳でこの世を去った歌人・笹井宏之さんの短歌集「えーえんとくちから」です。 普段読書をされる方でも短歌や詩に馴染みがある方はそう多くないと思います。 私自身、普段から短歌に嗜みがある訳ではなく、歌人にも詳しくありません。 …
私が七月隆文さんの「ぼくは明日、昨日のきみとデートする(以下“ぼく明日”とします)」に出会ったのは、カバーイラストを手がけるカスヤナガトさんの影響です。 カスヤナガトさんといえば、数多くの書籍カバーイラストを手がける売れっ子イラストレーター。…
今回は少し趣向を変えて、めくるだけで視覚的に楽しめる仕掛け絵本を紹介します。 仕掛け絵本には様々な手法がありますが、今回紹介するのはページを開くと立体的に飛び出してくる、きっと皆さんが一度は目にしたことがあるアレです。 「飛び出す絵本なんて…
今回ご紹介する本は、石持浅海さんの「Rのつく月には気をつけよう」です。 タイトルだけ見ると「?」が浮かびますが、1話目を読み始めると謎はすぐに解けるのでご安心を。 もし、「Rのつく月」と見ただけで「酒の肴にぴったりなカキの話だな」と、ピンとき…
「どんな人にもおすすめできる小説は何だろう?」 そう考えた時に思い浮かんだ本が、有川浩さんの「阪急電車」です。 当作品は「阪急電車 片道15分の奇跡」というタイトルで映画化もされ、80スクリーンと小規模ながら興行収入11億円以上を記録し、ヒッ…
本を読むのが苦手な方にこそおすすめしたい小説があります。 それは、伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」です。 おかしくて思わずニヤニヤしてしまうこと間違いなしのエンターテイメント小説で、伊坂幸太郎さんの本を1冊でも読んだことがある方…
原田マハの「まぐだら屋のマリア」を読んで号泣したのは私だけではないはずです。 こんなにも泣いて癒された本は他にありません。 私が本を読む理由のひとつは、本という世界の中で思い切り泣きたいからです。 大人になると泣くほど感情を揺さぶられる出来事…
「1番好きな本はなに?」と聞かれたらとても悩みますが、私は辻村深月(つじむらみづき)の「凍りのくじら」だと答えます。 理由はただ1つ、今まで読んだ本でいちばん心に響いたからです。 辻村深月さんが直木賞を受賞した2012年に、私はツイッターにこん…