知念実希人の「ムゲンのi 」は予測不能で一気読み必須のミステリー超大作!

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この本のPOINT!

次々と巻き起こる怒涛の展開に息を飲む、予測不可能なミステリー超大作!

幻想的な世界に迷い込む!一気読み必須の迷宮ファンタジー!

家族の愛情が温かい!心を鷲掴みにされて盛大に泣ける!

今回紹介する知念実希人さんの「ムゲンのi」は、次々と巻き起こる怒涛の展開に息を飲む、愛情に溢れた幻想的なミステリー小説です。

私は普段、通勤電車の中で本を読むのですが、こんなにも泣き散らかしたのはいつぶりでしょうか……!?

自分の心の形を感じるほどに胸を鷲掴みにされ、「すごい作品に出会った」と、読み終わったあとに思わずため息をつきました。

一気読み必須の感動の結末をぜひ体験して欲しい作品です。

今回は、知念実希人さんの「ムゲンのi」のブックレビューをお届けします。

愛情に溢れた幻想的なミステリー!

主人公の愛依(あい)は、眠り続ける謎の奇病「イレス」の患者3人を受け持つ神経内科医。

原因不明で1ヶ月以上も眠り続ける患者の治療法に悩んだ愛依は、かつて“ユタ”と呼ばれる霊媒師であった祖母に相談することに。

すると「患者の夢幻の世界で魂の救済“マブイグミ”をすれば目覚める」という助言をもらいます。

スピリチュアルな話に戸惑い半信半疑の愛依でしたが、藁にもすがる思いで教わった呪文を唱えると、本当に夢幻の世界に入り込むことができました。

そこで出会ったのは、魂の分身である“うさぎねこのククル”

不思議な出会いに導かれ、人知を超える奇病と事件に挑む愛依は、ククルと共に3人の患者たちのマブイグミを試みます。

夢幻の世界とそこに秘められた謎とは一体何なのか……!?

感動の結末を迎える一気読み必須の幻想的なミステリー小説です。

展開も結末も予測不能で一気読み必須!

「ムゲンのi」は上下巻からなる700ページを超えるミステリー大作です。

ミステリーだけでなく、ファンタジー要素、医療ドラマ要素もふんだんに含まれており、盛りだくさんの内容になっています。

私はファンタジー小説を普段から読み慣れておらず、入り込むまでに少し時間がかかりましたが、物語の中にストンと落ちてからは抜け出せなくなりました。

展開も結末も予測不能で、次々と巻き起こる出来事に頭がパンク寸前!

下巻を半分ほど読み進めても物語が一体どう収まるのか想像ができず、ある程度予想していた事件の真相も根底から覆される始末で……。

続きが気になって一気に駆け抜けて読んでしまいました。

読み応えのある長編ミステリーに、大満足の1冊です。

通勤電車の中で泣きながらも読む手を止められない!

私は普段、通勤電車の中で読書をするのですが、後半は流れる涙も読む手も止められず、開き直って泣き散らかしながら読み進めました。

読むのが辛いほどに同調したり、優しさに包まれて安心したり。
この感情の起伏を味わえるのが読書の醍醐味ですね。

そして、読み終わったあとは胸の奥がジンと熱く、心を鷲掴みにされたような強烈な余韻が残ります。

「心ってやっぱり胸にあるんだな」と改めて思い知らされた気分です。

この物語の執筆中に亡くなった知念さんの愛猫ハリー君への想いも感じ取れ、最後の一文は感慨深いものがありました。

儚くも限りない愛がいつまでも心の中にありますようにと願うばかりです。

ハリー君のご冥福をお祈りいたします。

混沌とした映像が眼に浮かぶ!これはぜひアニメで観たい!

この作品は、混沌としたカオスな世界観が非常に魅力的!

眼に浮かぶ映像はドラマで観たいというよりは、圧倒的にアニメ化を希望したい内容です。

劇画風のリアルさよりも、漫画調の絵柄と相対するカオスな展開で突き進む夢幻の世界を観てみたい!

問題があるとしたら、この濃密な物語をいかに限られた時間内にまとめるかですね。
しかし、無限に広がる言葉の海を映像化できたらすごいことになりそう……!

そう思わせるほど、この作品の幻想的な世界観は素晴らしいものです!

ファンタジーがいまいち苦手な私ですが、太鼓判を押してオススメします!

まとめ

「ムゲンのi」は、独創的な世界観を持つファンタジーでありながら、次々と巻き起こる怒涛の展開に息を飲む本格ミステリー小説です。

それだけでなく、現役の医師である知念さんが描くハートフルで家族愛に満ちた医療ドラマの要素もあり、非常に濃密な物語となっています。

この作品を読み終わったあと、余韻が強すぎてなかなか次の本にいけず、ずっと持ち歩いていた程です……!

知念さんの著書は8冊くらい読んでいますが、間違いなくこの作品が最高傑作ですね。

上下巻で713ページもあるボリュームのある長編ですが、一気読み必須の大満足の1冊です。