【ネタバレなし】道尾秀介の「いけない」は再読必須の体験型ミステリー!

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この本のPOINT!

ラスト1ページが暴き出す驚愕の真相に再読必須!

章末の写真を見て“謎”を解き明かす体験型ミステリー!

騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される!

今回紹介するのは、話題騒然のミステリー小説である道尾秀介さんの「いけない」です。

この作品は、4章からなる「◯◯してはいけない」が描かれた連作短編集。

どの章にも最後の1ページをめくると写真が描かれており、その写真の意味を理解した瞬間に物語がガラリと変わる驚愕のトリックが隠されています……!

写真を見ながら物語に隠された謎を解き明かしていく、今までになかった体験型ミステリーです。

最後の“真相”を知った時、ぞくりと鳥肌が立ちますよ……!

今回は道尾秀介さんの「いけない」のブックレビューをネタバレなしでお届けします。

絵を見た瞬間に物語がガラリと変わる驚愕のミステリー!

白沢(はくたく)市と蝦蟇倉(がまくら)市の海外線を結ぶ白蝦蟇(しろがま)シーライン。

その道を南下する時に左手に現れる「弓投げの崖を見てはいけない(第1章)」
自殺の名所であるその場所に漂う霊と目が合うと、あの世に連れていかれてしまうから。

そんな不穏な噂がささやかれる場所で起きた交通事故が、殺人の連鎖を招きます。

事件は思いもよらないところで起きるもの。
友達のいない少年が偶然目撃した殺人現場は本当か見間違いか……。

誰かに言いたくても、決して「その話を聞かせてはいけない(第2章)」
世の中に信用できる人間が一体どれほどいるのでしょうか。

そんな蝦蟇倉市で起きる事件を担当し、街の平和を陰ながら守る刑事は、解決の鍵となる「絵の謎に気づいてはいけない(第3章)」

どの章にも、最後の1ページを捲ると写真が掲載されており、物語がガラリと変貌するトリックが隠されています

終章である「街の平和を信じてはいけない」の最後の1ページを読み終えると、物語に隠された“真実”が浮かび上がる、再読必須のミステリー小説です。

隠された真相に気づいたとき、ゾクリと鳥肌が立つ!

この作品は、思わずネタバレしたくなるような、超絶技巧が使われたミステリー小説です。

書評のあらすじを書いていて、こんなにもどかしい気持ちになったのは初めてのこと。

物語の“真相”を注意深く解きほぐし、万全の体制で再読すると「そういうことだったのか!?」という驚きを隠せません!

この発想と文章力は本当に見事ですね。

Twitterで「ネタバレ考察を書いてみたい」とつぶやいたところ、道尾秀介先生ご本人から「ネタバレはなしで!」とのコメントを戴きましたのでここは我慢……!

それにしても、この本を読んだ方と感想を語り合いたくなりますね。
解釈の仕方によっては全く違う真相にも気付けそう……!?

読書会に持ってこいの作品です!

“騙される快感”を味わう再読必須の体験型ミステリー!

この作品の凄さは、種明かしされた瞬間に物語がガラリと変わるところです。

それは一瞬何が起こっているのか訳がわからないほど。

そのため、ある程度の読解力が必要ですが、「え、それどういうこと!?」という戸惑いから「そういうことだったのか!?」という驚きまでを考察する時間が非常に面白い!

“騙される快感”を味わえる、そして自らの思考で物語の真相を解き明かしていく体験型ミステリー小説です。

章末に描かれる「写真」で謎を解き明かす!

キーワードとなるのはなんと言っても各章の最後に描かれる「写真」の存在。

パッと見ただけでは一体なんの写真なのかわからないものから、一瞬で重大な真実を白日の下に晒すものまで様々で、いずれにしても再読したくなってしまいます。

これぞまさに体験型ミステリーと言われる所以(ゆえん)で、その“騙された”という快感は癖になってしまいそう!

実は、カバーを取った表紙にも絵が描かれているのですが、そこにも重大な秘密の裏付けとなるものが隠されています。

ぜひ手にとって確かめて見てください!

まとめ

道尾秀介さんの「いけない」は、再読必須の体験型ミステリー小説です。

章末に描かれた「写真」を考察しながら、自らの思考で真相を解き明かしていきます。

ある程度の読解力が必要ですが、“真相”に気付いた時は非常に痛快!
再読では更なる驚きを味わえます。

“騙される”ことが癖になる、驚愕のミステリー小説です。