相沢沙呼の「マツリカ・シリーズ」は妖艶な美少女に罵られたくなる青春ミステリー!

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今回紹介する作品は、相沢沙呼(あいざわさこ)さんの青春ミステリー「マツリカ・シリーズ」の3冊!

相沢沙呼さんといえば、2019年にミステリー界を騒がせた「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の著者ですが、「マツリカ・シリーズ」は2011年〜2017年に書かれた“日常の謎”をテーマにした学園ミステリーです。

第1作目の「マツリカ・マジョルカ」から始まり、2作目の「マツリカ・マハリタ」と続き、現在3作目の「マツリカ・マトリョシカ」まで刊行されています。

あの伝説となったパワーキャラクターである「medium」翡翠ちゃんこのシリーズが原点となった言われており、非常に読み応えのある作品です。

ミステリー好きの方だけでなく、女子高生のふとももが好きな方や、美少女に「犬」「おまえ」呼ばわりされたいドMの方は今すぐ本屋に走りましょう!

今回は、中毒性の高い青春ミステリー「マツリカ・シリーズ」のブックレビューをお届けします。

妖艶な美少女が日常に潜む謎を解き明かす学園ミステリー!

主人公の柴山祐希は、クラスに居場所が見付けられず冴えない学校生活を送る高校1年生。
友人はおらず、姉だけが心の頼りの内気な少年です。

そんな彼の生活は、学校近くの廃墟ビルに住む謎の女子高生マツリカと出会うことで一変します。

いつしか柴山は、妖艶神秘的な美しさを持つマツリカに「芝犬」と呼ばれ、学校の怪談を調査するためにパシリ扱いされる日々を送ることに……。

マツリカが繰り出す無理難題に応えながら、たまに真っ白なふとももをチラ見して、学校の謎の調査のために他人と関わる刺激的な生活を送っていく内に、人見知り自分が嫌いだった柴山は徐々に変わっていきます。

読めば読むほどマツリカに逆らえなくなる快感を味わえる、病みつき必須の青春ミステリーです。

読むほどに面白くなる日常ミステリーの傑作!

「マツリカ・シリーズ」は巻を重ねるごと面白さが増していく作品です。

私は第1巻の「マツリカ・マジョルカ」を読み終えた時は「ライトなミステリーだな」という感想でそれほど心は動かなかったのですが、続きが気になり「マツリカ・マハリタ」と読み進めていくうちに癖になりハマってしまいました。

何より3巻の「マツリカ・マトリョシカ」が面白くて大興奮!

「マツリカ・マジョルカ」と「マツリカ・マハリタ」の2冊は短編ですが、「マツリカ・マトリョシカ」はシリーズ唯一長編です。

ライトな青春ミステリーのはずだった作品が、いつの間にか本格ミステリーに変貌していきます。

“人の死なない”ミステリーの限界を超えた本格さが、「マツリカ・マトリョシカ」の醍醐味です!

人が死ななくても本格ミステリーと言わしめる。
著者の相沢さんからそんな挑戦状を受け取ったようで、非常に面白いですね。

「medium」の原点ここにありの謳い文句にも頷けます……!

強力なキャラクター性と勇気付けらるストーリー!

「マツリカ・シリーズ」の見所は、美女に逆えず言いなりになってしまう柴山が、こっそりマツリカの真っ白な太ももを盗み見るところです。

たったそれだけのご褒美で言いなりになってしまう気持ち、なんだか良くわかります……!

“飴と鞭”どころか“コンペイトウといばらの鞭”くらい甘やかしと厳しさに差がありますが、その差を感じさせないポテンシャルを持つマツリカの支配力がとにかく圧巻です。

言うなれば「medium」の翡翠ちゃんよりマツリカの方が強烈で、ここに翡翠ちゃんの原点があったのかと感慨深くなりますね。

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また、柴山が成長し徐々に変わっていく姿に勇気付けられる一面があり、この物語の奥深さを出しています。

他人と関わることで嫌いだった自分を変えていく柴山の努力と、なんだかんだツンデレで最後にとっておきのご褒美を与えるマツリカとの関係性も見ていて面白い!

読み口も軽いので、普段あまり本を読まない方にも読みやすいはず……!

妖艶な美女に踏みにじられたい、太ももが好きな男性諸君に是非オススメしたい作品です!

まとめ

「マツリカ・シリーズ」は“日常の謎”をテーマにした青春ミステリー!

学園ものですがただの青春譚ではなく、魔女的な美しさを持つ女子高生のマツリカが、物語に独特な雰囲気を与えます。

美女の太ももが気になり「おまえ」呼ばわりされたくなる不思議な感覚は、一度味わうと癖になり病みつきに……!

非常に中毒性が高く読むほどに面白くなりますが、油断しているといつの間にか本格ミステリーに変貌し、度肝を抜かされます。

青春本格ミステリーの決定版ここにありです!