今回は私の好きな漫画「喰う寝るふたり 住むふたり」を紹介します。
この作品は2012年から2014年にかけて、月間コミックゼノンにて連載し、全5巻で完結しました。
内容は同棲をテーマにした恋愛漫画なのですが、描かれ方が少し変わっています。
それは、同じストーリーが「彼氏側」と「彼女側」の両方の目線で描かれており、2話を合わせて1つの物語となっているところ。
「カップル両方の目線で読める」恋愛ザッピングストーリーですが、男女の感性の違いが如実にわかり実に面白いです。
今回は、男が読んでも女が読んでも楽しめる同棲物語「喰う寝るふたり 住むふたり」のブックレビューをお届けします。
恋人以上、夫婦未満の2人の同棲生活
高校生の頃から付き合い始めた野々山修一(通称のんちゃん)と町田りつ子(通称リツコ)の2人は、同棲歴8年の三十路直前カップル。
「そんなに長く付き合ってどうして結婚しないの?」という周りからの驚きと疑問を受け流し、2人のペースで付き合いを重ねてきました。
お互いの時間を尊重し、共に食べ、共に笑い、時には喧嘩をしながら同じ屋根の下で暮らす日々。
そんな2人の生活を“男女別々の目線”で描いたのがこの作品です。
普段の食事、旅先でのひととき、夜の生活……、“男の目線”と“女の目線”で感じていることがこんなにも違うなんて……!?
恋人以上、夫婦未満の2人の日常を描いた同棲物語。
男が読んでも女が読んでも楽しめる、もちろんカップルにもオススメの作品です。
男女の目線の違いが面白い
「喰う寝るふたり 住むふたり」の醍醐味は、なんと言っても男女両方の目線から同じストーリーを楽しめるところです。
たとえば、喧嘩をした時はお互いの言い分があり、それがわからずにすれ違っていく訳ですが、そのお互いの心情が別々に描かれ、男女の違いを目の当たりにできます。
男である私が読むと、のんちゃん編では「男ってそうだよな」という共感を覚え、リツコ編では「女ってこんな風に思っているの?」という発見があるのです。
基本的には1話完結(正確には男女1話ずつなので2話完結)のエピソードで、微妙に時間軸に差があったり、2話目でオチがついていたりと、2話を続けて読むことで1つのストーリーとなっています。
もともと私が好きで買っていた漫画ですが、妻も気に入って読んでおり友人にも勧めていたほど!
設定もさることながら、著者の日暮(ひぐらし)キノコさんの画力も高く、男女が分け隔てなく楽しめる、漫画として非常によくできている作品です。
のんびり、ほっこりする漫画
20代の同棲生活を描いた漫画と聞くと甘い作品なのかと思われがちですが、「喰う寝るふたり 住むふたり」はタイトルの通り、食べて寝て一緒に住んでいる2人の日常が描かれます。
同棲生活のすべてが甘い訳ではないように、この作品で描かれるのは甘さも辛さもある日常です。
のんびりと家で過ごす日もあれば、旅やドライブとせわしない日もあって、描かれるのはまさに涙あり笑いありの同棲カップルの何気ない日々。
リツコが友人から強引に誘われて合コンに行くシーンでは、余裕の裏側にあるのんちゃんの悲痛な思いが笑えます。
そんな2人の日常を見ていると意外にもグッと込み上げてくるものがあり、思わず泣きそうになるシーンも……!
お互いを思い合う姿が描かれ、ほっこりと心が温かくなって自然と笑みも溢れます。
今回読み直して「いい漫画だな」と改めて思いました。
同棲生活の賛否両論!
私は結婚するまでは一人暮らしをしていた為、独身時代に同棲をしたことがありません。
おそらくもうすることがないので経験することができませんが、「結婚前に同棲はしたくない」と頑なに考えていました。
なぜなら、「元々1人が好き」ということもあり一人暮らしの生活が最高すぎて、「結婚もせずに同棲をしたら途中で嫌になって別れる」と考えていたからです。
しかし、その反面「同棲生活」への憧れもありました。
若い時に好きなもの同士で一緒に住むというのは、誰がどう考えても楽しそう!
そんな同棲生活への密かな憧れを抱いていた時に出会ったのがこの作品です。
ちょうど私が結婚する直前で、のんちゃんとリツコの生活を見ていると“2人で暮らすこと”への憧れを一層強めてくれました。
そのため、結婚や同棲など、2人で暮らすことを考えているカップルに強くオススメしたい作品です。
お互いを思いやって生活をすることの大切さを教えてくれます。
まとめ
「喰う寝るふたり 住むふたり」は、同じストーリーを男女別々の目線で描く恋愛ザッピングストーリーです。
“男の目線”と“女の目線”のそれぞれが描かれる少し変わった設定ですが、男女の恋愛観の差を目の当たりにできます。
食べて、寝て、一緒に住んでいる2人の日常が描かれ、お互いを思い合う姿にほっこりと心が温かくなる作品です。
それぞれの話で共感と発見があり、男が読んでも女が読んでも楽しめるはず!
結婚や同棲を考えいているカップルに読んで欲しい同棲物語です。