「物語を楽曲化」するユニットYOASOBIの原作小説を読むと魅力倍増間違いなし!

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2019年に1stシングル「夜に駆ける」でデビューしてから瞬く間にブレイクし、昨年末には紅白出場も果たした新進気鋭のアーティストYOASOBI(よあそび)

ボーカロイドプロデューサーのAyase(あやせ)とシンガーソングライターのIkura(いくら)の2人が紡ぐ音楽が胸に響き、私もかなりハマっています。

そんな彼らの最も大きな特徴は「物語の楽曲化」、つまり「小説を音楽に」すること。

紅白で熱唱したあの曲や、CMで度々耳にするこの曲も、それぞれインスパイアされた物語(小説)から生まれています。

私は配信楽曲をすべて購入するくらいYOASOBIが好きですが、今まで原作小説を読んだことがありませんでした。

ふと気になってどんな作品なのかと調べてみると、原作小説集が刊行されているだけでなく、インターネット上でも無料で公開されているとのこと……!

早速読んでみると、YOASOBIの音楽が何倍も楽しくなりました!

今回は、今まで知っているようで知らなかったYOASOBIの魅力についてお届けします。

YOASOBIは物語を楽曲化するアーティスト!

YOASOBIは、ソニーミュージックが運営する小説&イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説を音楽化するプロジェクトから生まれました。

同サイトに限らず様々な小説やタイアップなどから楽曲を発表しています。

結成のきっかけは「monogatary.com」のスタッフが「小説を音楽にするユニットを作りたい」とAyaseに声をかけたことによります。

その後、Instagramでカバー曲の弾き語りをしていたikuraの動画をAyaseが見つけてスカウトし、YOASOBIが誕生しました。

2020年末に行われた第71回NHK紅白歌合戦で初めてテレビでも歌唱し、その場所が角川武蔵野ミュージアムで3万冊の本が並ぶ巨大本棚がステージだったことも話題になりましたね。

まさに、今をときめく大ブレイク中のアーティストです。

楽曲は原作小説にインスパイアされて作られる!

前述した通り、YOASOBIの楽曲は主にmonogatary.comに投稿された小説が原作となっています。(monogatary.com以外の作品もあります。 )

ほとんどが短編小説で5分くらいで読める作品もあるので、原作小説を読んでみたい方は下記表の原作名をクリックしてください。

タイトル 原作(作者)
夜に駆ける タナトスの誘惑(星野舞夜)
あの夢をなぞって 夢の雫と星の花(いしき蒼太)
ハルジオン それでも、ハッピーエンド(橋爪駿輝)
たぶん たぶん(しなの)
群青 青を味方に。(alfort creative team)
ハルカ 月王子(鈴木おさむ)
怪物 自分の胸に自分の耳を押し当てて(板垣巴留)
優しい彗星 獅子座流星群のままに(板垣巴留)
アンコール 世界の終わりと、さよならのうた(水上下波)

タイトルを見ただけではピンと来ないかもしれませんが、実際に耳にすると「この曲知ってる!」と感じるものばかりです。

この中で、圧倒的な知名度を誇る「夜に駆ける」と、私が個人的に好きな「群青」について、深掘りしていきます。

「夜に駆ける」の原作「タナトスの誘惑」を読むと背筋が凍る!

皆さんご存知であろうYOASOBIの代表曲「夜に駆ける」

この記事を書いている段階で再生回数が1.7億回……!?と、とんでもない数字になっています。

紅白でも熱唱したこの曲の原作小説は、星野舞夜さんの「タナトスの誘惑」という5分ほどで読める短編です。

(以下、ネタバレが入ります)

歌詞をじっくり読めば原作を再現するどころか、より膨らませていることがわかるのですが、実はこの物語は結構怖いです。

内容をざっくり説明すると、「自殺願望のある彼女が、彼氏を道連れに夜中に飛び降り自殺をする話」なのですが、YOASOBIの楽曲だけを聴いているとアップテンポな軽快さに惑わされて、2人が死んでいくことに気付けません。

「タナトス」とはギリシャ神話で「死」そのものを神格化した神のことを指します。

彼氏にとって彼女は死神で、惑わされ、夜を駆けるように落ちていく。

原作を読み終えた後に「夜に駆ける」を聴くと背筋が凍りますよ……!

「群青」のインスパイア作品は「ブルーピリオド」という漫画!

「群青」はブルボンのチョコレート「アルフォート」にタイアップされた楽曲です。

原作「青を味方に。」アルフォートのHPに公開されています。

実は、この作品は月間アフタヌーンに連載中の「ブルーピリオド(山口つばさ著)」という漫画にインスパイアされて作られました。

「ブルーピリオド」は、成績優秀かつ不良少年の主人公が絵を描くことの楽しさに目覚め、美術大学受験予備校や入学試験での苦悩が描かれる青春群像劇。

YOASOBIの楽曲「群青」は「ブルーピリオド」の世界観を巧みに表現しています。

成績優秀でスクールカーストの上位にいて、勉強も友人関係もうまくやっている主人公が抱えるどこか虚しいようなつまらない気持ち。

でもそれでいい、そんなもんさと納得させて過ごす日々。

そんなある日、心を奪われるような絵と出会い、賢く生きることもできるのに絵を描く喜びに身を任せ、不確かな未来を選んで走り出します。

この漫画も実に面白いのでオススメです!

2021年にテレビアニメ化も決定し、今後も目を離せません!

「ブルーピリオド」にインスパイアされて作られたYOASOBIの「群青」には合唱パートが取り入れられているのですが、合唱はまさに「青春」の象徴!

YOASOBIが手掛けるこのアプローチの仕方が堪らなく好きです。

私の一番好きな曲なので、ぜひYouTubeで聴いてみてください!

まとめ

今回は少し趣向を変えて、YOASOBIの魅力についてお届けしました。

YOASOBIの楽曲は、原作小説と合わせることで奥行きが生まれ、魅力が倍増します!

もちろんメロディ・歌詞・ボーカル・演奏・アニメーションなどYOASOBIの魅力は様々ですが、小説がもつ大きな世界観を5分程の楽曲に反映させることができるのは、純粋な足し算ではなく掛け算的なスパイスです。

本が好きな方はハマること間違いありません!

ぜひYOASOBIの楽曲を原作小説と合わせて楽しんでみてください!